ドローン(無人航空機)の活用がビジネスから趣味まで幅広く浸透する中、「ドローンを飛ばすには許可が必要」という言葉を耳にしたことがある方は多いでしょう。

しかし、「なぜ許可が必要なのか?」「具体的にどのようなケースで手続きが求められるのか?」を正確に理解している方は意外と少ないのが実情です。

本記事では、航空法の専門家が、ドローンの飛行許可・承認申請が必要な背景と、該当する具体的なケースについて分かりやすく解説します。

この記事でわかること(要約)

  • ドローン飛行の許可・承認の最大の理由は「空と地上の安全を守るため」
  • 4つの空域(空港周辺、DID地区、150m以上、緊急用務空域)では「許可」が必要
  • 6つの飛行方法(夜間、目視外、30m未満など)では「承認」が必要
  • 特定の条件を満たせば手続きを省略できる「例外(機体認証・技能証明など)」も存在

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1. なぜドローンの飛行に「許可・承認」が必要なのか?

結論から言うと、ドローンの飛行に厳格なルールが設けられている最大の理由は「空の安全と、地上の人・モノの安全を守るため」です(航空法第132条の3)。

日本の航空法では、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を確保するためのルールが定められています。ドローンは手軽に空を飛べるツールである反面、落下や衝突といった事故が発生すれば、重大な被害をもたらすリスクを孕んでいます。

そのため、原則として「無人航空機は、無人航空機登録原簿に登録を受けたものでなければ、これを航空の用に供してはならない」と規定されており、機体の事前の登録が義務付けられています(航空法第132条の2)。

その上で、特にリスクが高いとされる「特定の空域」や「特定の飛行方法」については、事前に国土交通大臣の許可や承認を得ることで、運航の管理が適切に行われると認められた場合にのみ飛行が可能になるという仕組みがとられているのです(航空法第132条の85第2項、第132条の86第3項)。

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2. 許可・承認が必要となるケースの概要

ドローンの飛行規制は、大きく分けて「飛んではいけない場所(空域)」と「やってはいけない飛ばし方(飛行の方法)」の2つの軸で構成されています。

① 【許可が必要】原則飛行禁止となる4つの空域

以下の空域でドローンを飛行させる場合、原則として国土交通大臣の「許可」が必要です。

  • 空港等の周辺空域:航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがあるものとして国土交通省令で定める空域です(航空法施行規則第236条の71第1項第1号〜第3号)。
  • 人口集中地区(DID地区)の上空:国土交通省令で定める人又は家屋の密集している地域の上空です(航空法第132条の85第1項第2号)。
  • 150m以上の高さの空域:地表又は水面から150メートル以上の高さの空域(地上又は水上の物件から30メートル以内の空域を除く)です(航空法施行規則第236条の71第1項第5号)。
  • 緊急用務空域:捜索、救助その他の緊急用務を行う航空機の飛行の安全を確保する必要があるものとして国土交通大臣が指定する空域です(航空法施行規則第236条の71第1項第4号)。

② 【承認が必要】規制されている6つの飛行方法

以下の方法でドローンを飛行させる場合、あらかじめ国土交通大臣の「承認」を受ける必要があります。

  • 夜間飛行:日出から日没までの間「以外」の飛行です(航空法第132条の86第2項第1号)。
  • 目視外飛行:当該無人航空機及びその周囲の状況を目視により常時監視「しない」飛行です(航空法第132条の86第2項第2号)。
  • 人や物件との距離が30m未満の飛行:当該無人航空機と地上又は水上の人又は物件との間に所定の距離(30メートル)を保たない飛行です(航空法第132条の86第2項第3号、航空法施行規則第236条の79)。
  • 催し物会場の上空飛行:祭礼、縁日、展示会その他の多数の者の集合する催しが行われている場所の上空での飛行です(航空法第132条の86第2項第4号)。
  • 危険物の輸送:爆発性又は易燃性を有する物件など、国土交通省令で定める物件の輸送です(航空法第132条の86第2項第5号)。
  • 物件の投下:当該無人航空機から物件を投下する行為です(航空法第132条の86第2項第6号)。

3. 許可・承認を回避できる「例外」とは?

ここまで厳しいルールを解説してきましたが、航空法では特定の条件を満たすことで、これらの許可・承認手続きを省略できる制度も用意されています。

代表的なものが「機体認証」と「技能証明」の組み合わせです。例えば、技能証明を受けた者が、機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合(一定の条件あり)は、「一部の」禁止空域や特定の飛行方法において、許可・承認が不要になる例外規定が設けられています(航空法第132条の85第4項、第132条の86第5項)。

また、十分な強度を有する紐等(長さ30メートル以下)で係留し、立入管理措置を講じて飛行させる場合なども、人口集中地区等の一定の規制が適用除外となります(航空法施行規則第236条の76、第236条の82)。

まとめ:安全・適法なドローン運用に向けて

ドローンの飛行許可・承認制度は、単なる手続きではなく、社会全体の安全を守るための重要なプロセスです。自身の飛行計画が規制に該当するかどうかを正確に判断し、必要な場合は速やかに申請手続きを行いましょう。

ご自身の飛行プランで申請が必要か迷われた場合や、複雑な手続きを行政書士に任せたい場合は、ぜひ一度専門家にご相談ください。